横につなげると長くなる。

弱音の掃き溜めです。ようこそ。

『8分間のパピリオ』完結しました。

初めてちゃんと書いた長編小説が無事完結しました。

エブリスタで短編を投稿するようになり、創作の先輩に「今年こそ長編小説を書きます」と宣言したころ、Project ANIMAで「SF・ロボット部門」の募集があり、書き始めました。

 

設定自体は昔から考えていたものです。ミクロのロボットをVRで操縦し、人間の体内にいる敵を掃討するという話。操縦するのは民間人で、ゲーム性を盛り込む。

しかし、この設定のディテールを詰めるのは案外大変でした。始めはガン細胞などを退治する話にしようかと思っていたのですが、ガン細胞は動かないですし、手術による切除や、高分子ミセルなどの治療法があり、ロボットを操る必然性がありません。

なので寄生生物を登場させた訳ですが、ミクロの寄生体を広い人体内でロボを用い探索するというのは現実的ではなく、バトルフィールドにおびき寄せるという設定にしたのですが、そうなると「おびき寄せられるなら、外科的処置で取り除けばいいじゃん」という結論に達し、行き詰まりました。

結局、取り除けない理由づけを無理やりすることで解決しましたが、他に手はあったと思います。僕の頭では無理でした。

 

ただ、ここまでの設定はできていましたが、オチがなかったので書くまでには至ってませんでした。僕はプロットが重要だと思っている人間なので、オチや構成を自分がおもしろいと思えないと書く気が起きません。

そこで思いついたのが、中間宿主という設定でした。このアイデアは他の短編で使おうと考えていたのですが、『パピリオ』の設定と相性が良いことに気づき盛り込みました。

結果、「小から大」というストーリー上の展開につながり、プロットとしても面白いものになったと思います。巨大ロボットが出てくる理由づけにもなったので。

 

読んでくださった方はわかると思いますが、オチはウェルズの「宇宙戦争」です。ほとんど。人体内に入って人間が戦うというのも「ミクロの決死圏」ですし、「幼年期の終わり」からも多分に影響を受けています。

こういう自分が影響を受けたものを元に自分が面白いと思う話を書き切ることができたことはよかったと思います。

Project ANIMAというキッカケがなければ書くことはなかったと思うので、感謝してます。正直、昨今のアニメの傾向には合ってないと思いますし、読了後に爽快感もないので、選考に関しては期待していないですが、自分が1番面白いと思う話が書けたので、ぜひ読んでいただきたいです(1次選考くらいは通ってほしいなあとは思っていますが)。

 

持ち込み会に参加した時に担当してくださった方が、「おもしろい」と言ってくださったので書き切ることができました。本当にありがとうございました(ここを読んでいるとは思いませんが)。

しばらく書くのはお休みするかと思いますが、また長編にはチャレンジしようと考えています。次はハイファンタジーに挑戦するつもりです。設定は決まっているのであとはキャラを固めるだけですかね。頑張ります。

 

 

『8分間のパピリオ』はこちらです。よろしくお願いします。↓

https://estar.jp/_novel_view?w=24969723