今日携帯ショップでディストピアの到来を見た。
今日も今日とて猛暑日である。
今年の夏は異常だ。
毎年「今年は例年より暑い」「異常気象だ」とボジョレみたいに暑さがインフレしているが、今年は暑過ぎる、まじで。
暑苦しい顔と体型のおじさんがイオンモール出口から駐輪場までの約20メートルの間を「あつぅ」と6回言いながら歩いていった。おじさんが、6回も。それくらい暑いのである。
こんな日に従業員を外で仕事させる企業は、“ブレイン”がどうかしていると思うのだけど、このファッキン炎天下の日に外で客の呼び込みをしている哀れなスタッフさんを見た。
某会社の携帯販売店前。
某野球チームのユニフォームを着たスタッフさんがメガホン片手にプレートを掲げて客の呼び込みをしていた。
僕はこの会社のキャリアを利用している。別段不満もないのだけど、この日ばかりは乗り換えようかと思った。
まあスタッフさんが自主的にやってるのなら自己責任だろう。…まさか上が指示しているわけはあるまい。…あるまい。
僕はこの光景に“ディストピア”を見た。
ガラス越しに見えた空調の効いた店内。そこにロボットがいた。白くてツルツルしたボディの胸にタブレット端末がついてる彼/彼女。無邪気な笑顔の子供と戯れている。楽しそうに。彼らに楽しいという感情があるのかは知らんが。
「え? スカイネットってもう世界を乗っ取ってるの????」と思った。
客寄せするなら汗だくで辛うじて目は死んでいない人間より、人間に愛されるようにデザインされたハナから生きていないロボットの方が良いに決まっている。
「この気温だとロボットはオーバーヒートするからダメ」とかいうなら、人間も一緒じゃね? まあ盗難とかいたずらの心配があるから外に置くのは無理なんだろうが。
こんなことしてる会社の携帯使ってることが少し厭になって
「も〜〜! 携帯会社変えてやる!!!!」
とか思いながら歩いていると、お伽話のキャラをCMに起用した某会社の携帯ショップがあった。
そこのスタッフは店のノボリを応援団みたいに振ってた。汗まみれの笑顔で。
みんな暑さでどうかしてるんだと思う。
今日見た全ては蜃気楼だったのだと思おう。